2024年度wallstat優秀卒業論文・修士論文賞 審査結果
当協会ではwallstatを活用した研究開発の促進を目的して、昨年度から優秀卒業論文賞を授与する事業を始めました。
第4回となる本年度は2025年3月3日に実施された審査会で6名の候補者のプレゼンテーションがあり、
厳正な審査の結果、以下の方に各賞の授与を決定しました。おめでとうございます。
最優秀賞:
日本大学 村上俊介 氏
優秀賞:
京都大学大学院 海野晴奈 氏
審査委員講評:
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断熱による木ネジ等の打ち増し分の評価や、建物の連棟を評価する
ための検討、隣り合う建物の相互の動きによる耐震性能への影響な ど、建物をより詳細に評価するようになってきており、その内容に 上手にwallstatを活用していると感じた。 -
設計をおこなう上で核となる部分であるスケルトンの設計を初期
段階で実施し、そのスケルトンを活かすようなインフィルを考え、 その状態でも耐震性能が足りているかをパラスタによって確認する という手法で、設計補助として活用しているものがあり、新しい使 い方として、面白いと感じた。 -
令和6年能登半島地震より後に研究テーマを設定した卒論・
修論だけあって、 想定外地震に対する応答や建物の限界状態を確認するため、wallstatの特性を活用した事例が多くみられ、 wallstatの有用性やユーザーインターフェイスの高さを感 じた。 -
新築・既存と個別建物の研究に加えて、
町家や連棟など郡としての建物評価を行うなど、 個々の研究レベルが年々高くなっている。 -
毎年参加している大学に加えて、
新規の参加や聴講などもあったことから、 今後もますますの活用を期待する。 -
応急仮設住宅や長寿命化、リユースなど、
時流を見据えた研究内容が多く、 現代におけるwallstatへの期待がうかがえた。 -
卒業設計への積極的なwallstatの活用が見られたのは特筆
すべきことで、今後、 建築系学科等での設計課題への適用が増えることが期待される。 -
プレゼンテーションスキルは総じて高い。特に、
研究の最終目標と、今回の取り組みとの関係、 特にwallstatをどのように活用したかをきちんと説明して いることは好ましく感じられた。 -
構法開発にwallstatを活用するなど、これまでにない活用方法があり、非常に興味深かった。
- 実際の建物の調査結果の検証のためにwallstatを活用する事例もあり、活用の幅が広がっていると感じた。
審査委員:
森拓郎(広島大学)※委員長
石山央樹(大阪公立大学)
清水秀丸(椙山女学園大学)
中川貴文(wallstat開発者)